「ごみ」と聞くと、「捨てるのが面倒」とか「分別が多くて大変」などの印象をお持ちの方が多いのではないでしょうか?
時間をかけて洗浄したり分別したり、時には自分で捨てに行かなければならないことも。
そんな「ごみ」と呼ばれているものに関して、「本来、かけなくてよいお金(過剰費用)がかなりの金額がかかっているよ〜」そんな話題です。物は処分するときにも「費用」がかかります。無駄な費用を抑えて、より良い生活のアイデアとなれば嬉しいです。
日本のゴミの現状
環境省の「令和3年度一般廃棄物の排出及び処理状況」によると、
ごみ総排出量は4,274万トン(東京ドーム約115杯分)、1人1日当たりのごみ排出量は918グラム。
ごみ総排出量、1人1日当たりのごみ排出量ともに横ばい
最終処分量は前年比1.1%減少。リサイクル率も減少
ごみ焼却施設数は減少(1,082施設→1,067施設) 出典:環境省HPより引用
https://www.env.go.jp/press/109290.html
概要を見ただけでも、「ゴミが減らない(収支が合わない)」ことが見て取れます。
ゴミにかかる主な費用
ゴミ処理全体にかかっている費用は、「ざっと2兆円」かかっています。
金額が大きすぎて、「も〜、よく分からん」という感じですね。
日本の国家予算が「約106兆円」なので、割合は約1%といったところです。家計に置き換えると、年収500万円の方がごみ処理にようにかけるお金は「約5万円」です。結構高いイメージになりませんか?
ゴミの費用といっても、焼却やリサイクルそのものに目が行きがちですが、付随する費用も多額です。可燃ごみでは、「収集費用(人件費や燃料費など)」や「施設管理費用(土地や施設の取得費用、維持管理にかかるもの)」などがあり、不燃ごみでも同種の費用が発生しています。(内訳は次のとおり)
4.廃棄物処理事業経費の状況(環境省HPより引用)
- ゴミ処理事業経費(費用総額) 2兆 885億円(前年度:2兆 910億円)
- うち建設改良費(リフォーム費用) 4150億円(前年度: 4238億円)
- 処理・管理維持費(ランニングコスト) 1兆 5518億円(前年度:1兆5331億円)
計算すると、国民一人当たりの費用は1日約40〜50円(年間:15000円前後)となっています。感じ方は人それぞれですが、費用という名の「税金」であり、新生児も国民数に入っていることを考えると、私の感覚的には「やはり結構な費用がかかっている」印象です。
ゴミ削減がもたらす効果
ゴミの削減は、地域社会を大きく変えることができます。そのモデルケースとなる町があります。
その町があるのは、「徳島県上勝(かみかつ)町」
徳島市から車で1時間程度の山中にあるこの街は、人口1700人ほどの集落。高齢者は多く、町人口にしめる割合は約55%、限界集落と呼ばれた過疎の町でした。
もうダメだと思われた町がにわかに脚光を浴びたのが、1986年から苦肉の策として始めた「葉っぱビジネス」だったそうです。食品の脇に添えられ、彩りを飾る役割の野草などを販売するビジネスで有名になりました。自分たちの街の資源を有効活用する文化が芽生えたのだと思います。
そして2003年、国内初で「ゼロ・ウェイスト(ゴミゼロ)宣言」を発表し、ごみゼロを目指していくこととなります。さまざまな活動に取り組んでおり、現在のリサイクル率は驚異の約80%、2030年には100%のリサイクルを可能にする町として、現在も町ぐるみで活動しているそうです。
この町では「ゴミ収集車」は走っておらず、ごみは各家庭から直接搬入しているようで、分別が厳密になされているとのことでした。また、集積されたゴミは「資源」となり、資源を他の地域へ売却して町の収入になるとのことでした。処分費用が減って(支出削減)利益が出る(収入増加)形態となり、徐々に町に活気が戻ってきているとのことでした。
「ごみ」を「資源」と認識すれば、町も復活できるほどのパワーがある。
日本初の「ゼロウェイスト宣言」した町 https://zwtk.jp
ゴミが減る考え方
☆ゴミが減れば、無駄な費用(公私問わず)が削減できます。私の考えは、これ一択でした。
「5R(できれば7R)を意識して買い物をする」
Rとは、ゴミを減らし、次に活かすための方法を英語の頭文字で表現したものです。3Rや5R、最近では多くのRからゴミの削減を考えようというものです。急に意識が芽生える物ではありませんが、参考にしてみましょう。ここでは、7Rを紹介します。
- Rental(レンタル)※借りる
- Refuse(リフューズ)※断る
- Reduce(リデュース)※減らす
- Reuse(リユース)※再使用
- Repair(リペア)※修理する
- Refine(リファイン)※分別する
- Recycle(リサイクル)※再生利用
これらは、物を購入するときにこの番号で考えると、よりゴミが減るように設計されています。
最後に:「ごみの発生は、買い物するところから始まる」
ここまでご覧いただきありがとうございます。
最後に言いたいことは、買い物をするところから「ごみの問題」はすでに始まっているという点です。形ある物、いずれは壊れる(無に帰る)という仏教の教え、そのままですね。どれだけ良いものも、いつかは無くなる日が来る、その日を考えて買い物をしましょう。ということです。
買い物するときに、「本当に必要か?」「代わりのものはないか?」「レンタルできないか?」など、7Rを意識して買い物をすると、素敵な物と出会うことができ、長く使いたいという愛着が湧き、廃棄するための費用が激減するので、結果お金も減らない。という「好循環」になる考え方です。少量でも素敵なものに囲まれて、幸せな人生を歩んで行きましょう。
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